使って見えるアイデア
18-8ステンレス つや消しステンレスボウル
「ステンレスボウル」とひとくちにいっても、
市場には様々な形状のものがあります。
深いもの・浅いもの、底面積が広いもの・狭いもの、
鏡面仕上げのもの・ヘアライン仕上げのもの。
何種類か使っていると、それぞれの長所・短所に気が付きます。
「深いものは粉ものを混ぜる時に粉が舞いにくいけど持ちにくい」
「浅いものは持ちやすいけど粉が舞いやすい」
「底面積が広いものはマッシャーが使いやすいけど卵は溶きにくい」
「底面積が狭いものは卵が溶きやすいけどマッシャーは使いにくい」
などなど、例を挙げれば切りがありません。
本当は食材や用途に合わせて適した形状のボウルを
使い分けるのがいいのかもしれませんが、
いきなり何種類もボウルを揃えるというのは
なかなか難易度の高いことです。
それに普段作る料理の種類には個人差がありますから、
できれば最初はいろんな料理で無理なく使えるものを選んで、
必要に応じて買い足していくというのがベターな気がします。
そういう意味では、このボウルはまさに最初の道具として
揃えるのにお勧めなバランスのとれたボウルです。
特筆すべきは、前述の「形が変われば使い勝手も変わる」
ということを見越したような
サイズによって形が変わっているという点。
13cm・16cm・19cmはさかずきのような形。
23cmはしっかりと立ち上がりを持たせて半円に近く、
そして、27cmは両者を足したような丸みを帯びたさかずき型。
それぞれのサイズ別に用途を想定して作られているのがわかります。
そして、このボウルは僕が初めて買ったボウルに抱いていた
不満も見事に払拭してくれています。
ボウルに必要だった意外な機能
初めて調理用のボウルを買った時、
頭の中にあった料理はハンバーグやホットケーキでした。
小さい頃はそんなに家事を手伝うような子供じゃなかったから、
ボウルといえば挽肉を捏ねたり、
ホットケーキミックスを混ぜるときに使うもので、
「捏ねる・混ぜる」さえできれば何でもいいと思っていました。
でも、それは料理を断片的にしかした事がなかったからで、
いざ大人になって実際に一から料理を作っていくと、
ボウルを使う時は「捏ねる・混ぜる」以外にも
「注ぐ・移す」という動作が
同じぐらいでてくることに気が付きます。
使用頻度が高い片口ボウルは
溶き卵や合わせ調味料なんかを鍋に入れる時に活躍しますが、
大きいボウルも、濾したスープを鍋に移したり、
あら熱をとったソースを保存容器に移したりと
「注ぐ・移す」機会が少なからずあります。
初めて買ったボウルは縁の太めの巻き込みと角度のせいか、
液だれは日常茶飯事。
特に熱いものを注ぐときなんかは、
両手がふさがって液だれの防ぎようがなく、
終わる頃には作業台がビチャビチャという事も多々でした。
この「液だれ」をなんとかしたいと
ステンレスボウルを何種類か試してみると、
縁の巻き込みが無いと液だれしないことに気が付きました。
金属だからこそできる鋭利な縁の仕上げは
メーカーによっては鍋なんかにも採用していて、
道具を選ぶ際の1つのポイントだと思います。
だけど、ボウルは鍋と違って縁を直接手で掴むもの。
パッと手にした時にそんなに気にならなくても、
ボウルに材料を入れて縁を掴んで混ぜてみると、
縁が手のひらに当たってちょっと痛い。
「注ぐ・移す」は巻き込みは無い方がいいけれど、
「捏ねる・混ぜる」は巻き込みがある方が
断然持ちやすいんですよね。
13・16・19・27cmは、側面に傾斜を持たせてあり、
その傾斜に沿うように縁が仕上げられていて、
持ち心地の良さはキープしつつ、
液だれしない形になっています。
出番の多い13cm、16cm。切り分けた食材の
置き場所としてや調味料の配合、材料の計量に活躍します。
電子レンジ対応のボウルと併用すれば快適度もアップします。
この、どちらかというと器に近い形もこのボウルの特徴で、
特に片手で持って使うことが多い13・16cmは、
まさにお茶碗のような持ち心地で扱いやすいです。
少し深みのある19cmはお茶碗というより丼といった印象。
パンやお菓子作りで使う手粉にもこれらのサイズがベター。
少量の粉でも手に付けやすいのは、さかずき形だからこそです。
19cmはサラダや冷製パスタを和えるのにちょうどいい、
片手で持てる大きめサイズのボウル。
クッキーなど分量の少ない生地を作る時にも便利です。
作る量も少なく、料理も頻繁にしない人であれば、
大きいサイズのボウルはこれひとつで事足りる気がします。
徹底的に「捏ねる・混ぜる」
「注ぐ・移す」がしっかりと意識された13・16・19・27cmと違い、
23cmは徹底的に「捏ねる・混ぜる」が意識されています。
側面の傾斜が急で、しっかりと立ち上がりを持たせた形状。
液だれはしやすいものの小麦粉を混ぜる時に粉が舞いにくく、
底面積が狭いので効率よく泡立て器が使えます。
抑えるのに力がいる粘性が強い生地を作るときには、
文字通り大きなボールのように
抱きかかえてしっかり捏ねることもできるのもうれしい。
1番大きな27cmは、丸みを帯びたさかずき型。
水分量の多いクレープ生地を作る時や、
スープを濾したり、上澄みを捨てる作業に最適です。
口が大きく開いているので、
すし飯を作る時もご飯の熱が冷めやすく、
すし酢が混ぜやすいです。
また、丸みを帯びているおかげで
側面の立ち上がりが緩やかなので、
傾斜を使って生地を延ばすように捏ねたりもできるので、
1斤ほどの量ならパン生地を作るのにも適しています。
機能に勝る発想を
サイズによって形状が違いますが、
ちゃんと大きいもの順に入れ子にスタッキングできるので
まとめて収納する時もスペースを取りません。
だけど、もしスペースに余裕があるようなら、
頻用するもの別に収納場所を変えるのがオススメです。
スタッキングできる事は1つの機能であり、
見た目にも美しく、宣材写真なんかでよく使われているので
「ボウルはそうやって収納するもの」
って思いがちなんですけど、
全サイズスタッキングしちゃうと、
取りにくかったりするんですよね(特に真ん中)。
カタログ通りの使い方が最善かもしれないけど、
その通りの使い方をしなければいけない決まりはないし、
使い手が柔軟な発想で使いやすいように工夫すれば、
小さなストレスの解決策は、意外に簡単なことかもしれませんね。
- サイズ
- 13cm:φ132×H50mm / 0.4L
16cm:φ158×H65mm / 0.7L
19cm:φ185×H77mm / 1.2L
23cm:φ231×H119mm / 3.4L
27cm:φ272×H117mm / 4.2L
- 材質
- 18-8ステンレス
- 原産国
- 日本